環境
緩衝材(プチプチ、エアセルマット、バラ緩衝材)のメーカーが取り組む脱炭素社会へ向けての活動をまとめました。
文末では従来の製品よりもCO2削減に繋がるアイテムをご紹介しています。
脱炭素社会に向けた緩衝材業界の取り組み
先に述べた通り、エアキャップなどの緩衝材は二酸化炭素を多く排出する製品であり、使用量の削減が求められています。
製造各社が取り組む脱炭素社会へ向けての活動をまとめました。
また、ブログの最後に文章内で紹介した、CO2削減に貢献できる製品も掲載しております。
株式会社和泉_バイオマスプラマーク取得のナノ2エアセルマット
ZU100エアセルマットなどの気泡緩衝材のメーカーである株式会社和泉は、脱炭素社会実現に向けて、石油由来のプラスチックの代替品を取り入れています。
環境省が石油系プラスチックの代替品として”バイオプラスチック”を推奨しており、同社はバイオマスプラスチックを30%使用した”ナノ2エアセルマット”という環境に優しい製品を開発し、販売しています。
”ナノ2エアセルマット”は次の3点の特徴から温室効果ガス排出の抑制を期待できます。
- バイオマスプラスチック原料を30%使用→自然由来の原材料の採用
- 製品の軽量化→使用原料の削減により二酸化炭素を抑制
- 焼却時に炭素化を促進する添加剤の使用→大気中に排出する二酸化炭素を抑制
使用されるバイオPEはブラジルBraskem社のもので、サトウキビから作られます。
同社のものは砂糖を採取したあとに残る廃糖蜜という、本来廃棄される部分からバイオPEを製造しており、原料栽培から樹脂製造の工程において3.09KgCO2/Kgの二酸化炭素を吸収すると推計されたそうです。(二酸化炭素の排出量がマイナス3.09Kgとなる)
しかし、残念なことに生産効率が低く、石油系のものに比べると高価であることが課題だそうです。
生産効率が低い理由は、バイオエタノールからバイオエチレンを精製できるのはその50%程度であることだそうですが、精製されなかった残りの50%の物質は”水”なんだとか。水なら自然にかえりますよね。
その点も踏まえて、この原料の採用に踏み切ったそうです。
価格ではなく“脱炭素社会の実現に向けてとことん環境に優しいもの”を第一に考えている(株)和泉さんの取り組みを今後も応援していきたいですね!
川上産業_リサイクルの取り組み、再生原料プチ
リサイクルへの取り組み
プチプチなど気泡緩衝材のメーカーである川上産業は、プラごみを自社回収し再び製品を作る仕組みを持ち「プラごみゼロ化」に取り組んでいます。
使用済みのポリオレフィン材(気泡緩衝材、ポリ袋、ストレッチフィルムなど)なら、自社製品以外のものも回収してくれるそうです。
原料がリサイクルされれば焼却時に発生するCO2の排出量を抑えることに繋がります。
参考:川上産業
再生原料プチの製造
川上産業は再生原料を使用した”色付き”のプチプチを開発し販売をしています。
原料発掘から製造、輸送、廃棄までに排出される二酸化炭素量を、再生原料プチと再生原料を全く利用しないプチプチ1本で比較すると、約34%減らす事が可能だそうです。
気泡緩衝材を利用するときに最もCO2の排出が多いのは原料採掘〜原料精製、焼却処分時です。
再生原料を利用することでその過程を省くことが出来、大幅なCO2削減に寄与しているということですね。
川上産業は使用済みの製品をリサイクルする仕組みで「プラスチックゴミの削減」と「CO2削減」両方の課題解決を進めています。
さらに自然由来の製品も開発も取り組んでいて、脱炭素社会に向けて1歩先に進んでいる印象を受けました。
ストロパックジャパン_生分解性100%のバラ緩衝材
最後に箱内の隙間を埋めるためのバラ緩衝材の環境配慮についてです。
1073年からバラ緩衝材を製造しているストロパックジャパンは、完全に肥料化が可能な植物デンプン製と発砲スチロール製の2種類の原料を採用しています。
エコホールドは主にコーンスターチを原料とし、微生物により水と炭酸ガスに分解される製品です。
水溶性で100%の生分解性を誇ります。
全てが自然にかえる、環境に優しい製品を長年作り続けているメーカーです。
まとめ
- 原料は石油由来ではなく、植物由来を選ぶ
- 廃棄は燃えるゴミではなくプラスチック資源ごみでリサイクル
- 再生原料を利用したものはごみ削減、CO2排出の両方に貢献できる
オススメな梱包材